まあるい星のはなし1
まあるい星のはなし1
そこに一つの まあるい星がありました。
星には 名前がありません。
なぜなら、呼んでくれる友達がないからです。
でも 星は 淋しくなんかありませんでした。
生まれたときから ずっとこうしているからです。
星には 夢もありませんでした。
星には 小さな岩石がすこしと、
赤茶けた でこぼこの荒れ地があるきりです。
でも 星は 悲しくなんかありませんでした。
夢が 消える心配もないからです。
星は 願いももっていません。
なぜなら星は とても満たされているからです。
まいにち カラン コロン と
きまぐれにころがる 岩石の音をききながら
星は うっとりと宇宙をながめ、
美しいなぁ と思いました。