2019/05/01

金の鳥




ブルガリアのむかしばなし『金の鳥』

BL出版
文 八百板洋子 
絵 さかたきよこ 
編集 鈴木加奈子
デザイン 中嶋香織

西荻窪URESICA、京都nowaki
個展『金の鳥』無事に終了。
国内で初めての絵本の原画展でした。

結局、ここになにも書けないままに

たくさんの人が訪ねて来てくれて
気持ちや言葉を贈ってもらって、
気づけば台風のあとのやたらと明るい
日射しの中にうっかり飛び出したみたいに、
ありがたくもまぶしい展示期間を
過ごすことができました。

いまはまるで風にあおられ波に運ばれて
思いもしなかった場所に打ち上げられた気分で
ひとりどきどきしながら描いてきた時間には
想像もできなかったさまざまな出会いを、
波打ち際に寝っころがって
日焼けして心地よくひりつく肌をさすりながら、
振り返っているところです。

わたしがそんな経験をできたのも、

展示に関わってくれたみなさんのおかげです。

遠くから応援をくださり、
足を運んでくださったすべてのみなさま
大切な時間をご一緒できてうれしく
また光栄でした。

心からの感謝を込めて、
ありがとうございました。

絵本『金の鳥』の旅ははじまったばかり、

末永くあらゆる場所にたどり着きますように。

special thanks for

八百板洋子、鈴木加奈子、中嶋香織、
落合直也、BL出版、図書印刷、
URESICA ダイ小林、カマタユリコ
nowaki きくちみな、筒井大介(敬称略)



個展『金の鳥』

ごあいさつ より


閉じられた絵本を開く。
絵を眺めながら、まだ一度も見たことも聞いたこともない
もうひとつの別世界に飛び込んで夢中で空想にひたる。
あぁ、どうしてこんなにも可愛くて、優しくて、怖くて、
あったかくて、強くて、やるせなくて、理不尽で、不思議で、
面白いんだろう。そんなめくるめく感情をたくさんもたらし
てくれた絵本は、子どもの頃のわたしにとって、もうひとつ
の現実でもありました。

このたび、ずっと大切に思ってきた絵本を描く機会をいただき、
長く語り継がれてきたむかしばなしを現代の小さな人たちへも届
けたく、小さな頃のわたしをお供に置いて、たくさんのご協力を
いただきながら絵本『金の鳥』が出来上がりました。八百板洋子
さんの味わい深く豊かで鮮やかな文とともに、甘いけれど素朴で
どこか不思議な味のする外国のお菓子みたいに、初めての絵の味
をもう一度確かめてみたくなって、何度もページをめくっていた
だけたらうれしいです。

ブルガリアの人々がむかしばなしや詩や歌にかさねた夢の一粒
ぜひ、お楽しみください。

さかたきよこ